毎日の食事で子どもに野菜を食べさせようとはするけれど、「何をしても野菜を食べてくれない…。」と悩むママパパも多いのではないでしょうか。
料理で野菜を食べてくれないとなると、「野菜ジュースで代用できるのかな?」と考えるのは自然なこと。
この記事では野菜ジュースが本当に野菜の代わりになるのか、栄養面や飲ませるときの注意点などを詳しく解説しています。
野菜ジュースは野菜の代用にはならない

結論から言うと、『野菜ジュース』と食材としての『野菜』は別物と考える方が良いでしょう。
なぜなら、野菜ジュースは加工の際に多くの『栄養素』が失われているからです。
未加工の野菜には、体の調子を整える 『食物繊維』『ビタミン』『抗酸化物質』 などが含まれており、以下のような働きがあります。
- 整腸作用
- 免疫の向上
- 血糖値のコントロール
しかし、野菜ジュースにすると食物繊維の大部分が取り除かれたり、ビタミンが熱処理で減少するため、野菜本来の栄養が損なわれてしまいます。
野菜ジュースには果汁が含まれているものも多く、糖分の過剰摂取に繋がる可能性もあるため、あくまでも『栄養補助』として活用し、基本的には『未加工の野菜』をしっかり食べる習慣を身につけることが大切です。
野菜ジュースでとりづらい栄養素は?
野菜ジュースでとりづらい栄養素は以下の3つです。
順に解説していきます。
食物繊維
野菜ジュースで取りづらい栄養素の一つが『食物繊維』です。
とくに『不溶性食物繊維』は野菜ジュースを作る際にしぼりかすとして取り除かれてしまうことが多く、未加工の野菜を食べるよりも摂取できる量は圧倒的に少なくなってしまいます。

不溶性食物繊維は、人参やれんこん、ごぼうなどの根菜類に多く含まれています。
不溶性食物繊維をしっかりとりたい場合は、食物繊維が添加してある野菜ジュースを選ぶか手作りすると良いでしょう。
ビタミンCなどの水溶性ビタミン
野菜ジュースは手軽に栄養を摂れますが、ビタミンCやビタミンB群などの『水溶性ビタミン』は加工や加熱の過程で失われやすいため、十分に補えないことがあります。
ビタミンCは免疫力を高めたり、肌の健康を維持したりする重要な栄養素ですが、熱や長期間の保存で失われやすいため、野菜ジュースでは含有量が減っていることがあります。



できるだけ新鮮な野菜や果物を生で摂取したり、スープで摂取するようにしましょう。
野菜ジュースだけに頼らず、食事の中でバランスよく水溶性ビタミンを補給することが大切です。
ポリフェノールなどの抗酸化物質
野菜ジュースは加工の段階で加熱をしていたり、長期間保存していることがあるため、ポリフェノールやフラボノイドなどの抗酸化物質が減少していることがあります。
ポリフェノールやフラボノイドは強い抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素を抑えることで、動脈硬化や生活習慣病の予防に役立ちます。



また、免疫力を高め、細胞の老化を防ぐ働きも。
色の濃い野菜やベリー類、カカオなどにはポリフェノールやフラボノイドが豊富に含まれているため、野菜ジュースだけに頼らず、新鮮な野菜や果物も食べることが大切です。
子どもに野菜ジュースを飲ませるときの注意点4つ
子どもに野菜ジュースを飲ませるときは以下の3つに注意しましょう。
- 栄養バランスを意識する
- 糖分の多いジュースを避ける
- 咀嚼力を鍛える機会を減らさない
- 野菜本来の味を知る機会をつくる
では、解説します。
栄養バランスを意識する
野菜ジュースは手軽ですが、すべての栄養素を補えるわけではありません。
食物繊維やたんぱく質、脂質が不足しがちなうえ、ビタミンCや葉酸などの水溶性ビタミンも加工の過程で減少することがあるため、ジュースだけに頼らず、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を意識するようにしましょう。



子どもが野菜を食べない日があっても大丈夫。
無理に食べさせるのではなく、少しずつ食べる機会を増やしていけば十分です。
まずは野菜を食卓に並べることから始め、子どもが自然と興味を持つ環境を作ることが、長い目で見てバランスの良い食習慣につながります。
糖分の多いジュースを避ける
野菜ジュースの中には飲みやすくするために果汁が多く含まれているものもあり、「野菜ジュースだから大丈夫」と過剰に摂取すると、糖分の摂取量が増えてしまうため注意が必要です。
糖分の過剰摂取は血糖値の急上昇を引き起こし、エネルギーの過剰摂取や虫歯のリスクを高める可能性があります。
また、甘いジュースに慣れてしまうと野菜本来の味を受け付けなくなることがあるため、購入する際は成分表示を確認し、『砂糖・果汁不使用』『野菜100%』などの表記をチェックしましょう。
咀嚼(そしゃく)力を鍛える機会を減らさない
野菜ジュースは手軽に栄養を摂取できる反面、咀嚼の機会を減らしてしまいます。
幼児期は顎の発達や口の筋力を鍛える大切な時期であり、噛む回数が少なくなると、顎の成長が不十分になったり、噛む力が弱くなったりすることがあります。



唾液の分泌が減ることで消化機能の低下や虫歯のリスクが高まることも。
野菜ジュースを活用する場合でも、スティック野菜を取り入れたり、よく噛む必要のある以下のような食材を意識的に取り入れることが大切です。
- ごぼう
- れんこん
- きのこ類
- 肉類
- 海藻類
食事の際には「よく噛んで食べようね。」と声かけをしながら、食べる習慣をつけると良いでしょう。
野菜本来の味を知る機会をつくる
子供が野菜そのものの食感や味を経験することも大切です。
野菜ジュースは飲みやすいように甘みが強調されているものが多く、それに慣れると野菜そのものの味を受け付けにくくなることがあります。
果汁が多く含まれるジュースに頼ると、子どもは『野菜=甘いもの』と認識し、実際の野菜を苦く感じて嫌がることも。



野菜本来の味を知る機会を意識的に作ることが大切です。
例えば、スープや蒸し野菜、グリルなど、野菜の甘みが引き立つ調理法を試したり、チーズやカレーなどの子どもが好きな味付けで少しずつ慣れさせたりするとよいでしょう。
また、一緒に野菜を洗ったり調理を手伝わせたりすることで、興味を持たせるのも効果的です。
無理強いせず、ポジティブな体験を通して野菜に親しむ機会を増やしましょう。
子どもに野菜ジュースを飲ませるときのポイント5つ
どうしても子どもに野菜ジュースを飲ませるなら以下のような工夫をすると良いでしょう。
- 1日1本までを目安にする
- 100%野菜ジュースを選ぶ
- 栄養が偏らないようにする
- 手作りの野菜ジュースは衛生管理に気をつける
- 子どもに「野菜はジュースでいい」と思わせないようにする
1日1本までを目安にする
野菜ジュースは栄養補助として便利ですが、飲みすぎには注意が必要です。
市販の野菜ジュースには糖分が多く含まれているものがあり、過剰に摂取すると血糖値の急上昇や肥満の原因になる可能性が高まります。
また、ジュースは噛まずに飲めるため満腹感を得にくく、食事のバランスが崩れてしまったり、「ジュースで野菜を摂っているから大丈夫」と思い込み、実際の野菜を食べる機会が減ってしまう心配も。
野菜ジュースは1日1本(200ml程度)までを目安にし、基本は食事からしっかり野菜を摂るようにしましょう。
【年齢別】野菜ジュース1日の適量
年齢 | 1日の適量(目安) | ポイント |
---|---|---|
1〜2歳 | 飲ませる必要なし | 食事から栄養をとるのが基本 |
3~5歳 | 100〜150ml程度 | 飲みすぎないように注意 週2~3回程度まで |
6歳以上 | 200ml(コップ1杯)まで | 野菜の代わりではなく補助として |
100%野菜ジュースを選ぶ
野菜ジュースには『野菜100%』と『野菜+果汁入り』のものがあり、子どもに与える際はできるだけ『野菜100%ジュース』を選ぶようにしましょう。
果汁入りのものは飲みやすいものの、糖分が多く含まれており、飲みすぎると血糖値の急上昇や虫歯のリスクが高まります。
また、甘いジュースに慣れると野菜本来の味を嫌がってしまうことも。
野菜ジュースを飲ませる際にはパッケージに記載されている『成分表示』を確認し、『砂糖・食塩無添加』のものを選ぶとよいでしょう。
栄養が偏らないようにする
野菜ジュースは手軽に栄養をとれるものの、野菜ジュースに頼ってばかりでは栄養の偏りは避けられません。
『野菜ジュースでとりづらい栄養素は?』で解説したように、ジュースに含まれる栄養素は一部であり、加工や加熱の過程で様々な栄養素が減少しています。
野菜ジュースに頼り切るのではなく、通常の食事では『主食・主菜・副菜』のバランスを意識し、肉・魚・卵・豆類などの良質なたんぱく質や、DHAやα-リノレン酸などの必須脂肪酸なども適切に取り入れることが大切です。



野菜ジュース=万能ではないので、バランスの良い食事を心掛けましょう。
手作りの野菜ジュースは衛生管理に気をつける
手作りの野菜ジュースは市販品と違い、保存料不使用で傷みやすいため、衛生管理には注意が必要です。
ジュースに使用する野菜はしっかり洗い、ジューサーやミキサーも使用前後にしっかり洗浄・乾燥して、雑菌の繁殖を防ぎます。
作ったジュースはすぐに飲み切るのが理想ですが、保存する場合は冷蔵庫で密閉容器に入れ、長くても半日~1日以内に飲み切るようにしましょう。
また、飲み残しも菌が繁殖しやすいため、口を付けたものは長時間放置せず、捨てることが望ましいです。
手作りジュースは栄養価や安心感は高いですが、安全に飲めるよう衛生管理をしっかり行いましょう。
子どもに「野菜はジュースでいい」と思わせないようにする
野菜ジュースは手軽に栄養を補えますが、「ジュースを飲めば野菜を食べなくてもいい」と子どもに誤解されると、食事のバランスが崩れる原因になります。
ジュースはあくまで補助的なものであり、野菜本来の味や食感を経験することが大切。
日頃から野菜を使った料理を食卓に並べ、『野菜は食べるもの』という意識を育ててあげましょう。



野菜を子どもと一緒に選んだり調理したりすることで、興味を持つきっかけになります。
また、『ジュースは特別なときに飲むもの』とルールを作ることで、日常的に野菜ジュースに頼る習慣を防ぐことができます。
食事を楽しみながら、少しずつでも野菜を食べる機会を増やし、『食べることの大切さ』を伝えましょう。
野菜を「食べる習慣」を育てることが大切
野菜ジュースはとれる栄養素が限定されるため、あくまで補助的なものとして考えましょう。
子どもが『噛んで食べる』習慣を身につけることが大切とはいえ、野菜を食べてくれないと悩むママパパも多いのではないでしょうか。
野菜を好きになってもらうには『おいしく、楽しく食べられる工夫』がポイント。
毎日手作りするのは大変ですが、そんなときこそ栄養バランスが考えられた宅配幼児食を活用するのも一つの方法です。
宅配幼児食を活用するメリットは?
宅配幼児食を使うメリットをまとめました。
- 手軽に栄養満点の食事を用意できる
- 冷凍保存OK、温めるだけで簡単調理
- 野菜嫌いでも食べやすい工夫あり
- 安全性に配慮された商品が豊富
- 新しい食材や味に慣れる機会に
「忙しくて手作りが難しい」「野菜をなかなか食べてくれない」など、子どもの食事に悩むママやパパにとって、宅配幼児食は心強い味方。
手軽に栄養満点の食事を用意できるうえ、温めるだけのカンタン調理なので、ママパパの負担を軽減できます。
野菜嫌いの子どもでも食べやすい味付け、無理なく野菜を可能。さらに、安全性に配慮された商品が豊富 で、新しい食材や味に慣れる機会 になり、子どもの食の幅を広げる手助けになります。
おすすめの宅配幼児食3選
数ある宅配幼児食の中でも、野菜をしっかり摂れるサービスを厳選しました。
それぞれの特徴やおすすめポイントを紹介するので、子どもの食の好みや生活スタイルに合ったものを選んでみてください。
野菜を中心にしたメニューや、苦手な野菜を食べやすく工夫したもの、食材の安全性にこだわったものなど、サービスによって特徴はさまざまです。
食事の時間が楽しくなるようなメニューが揃っているものを選ぶと、子どもが野菜を食べることに前向きになりやすくなります。
ここからは、野菜がたっぷり摂れるおすすめの宅配幼児食3つを紹介します。
Kidslation(キッズレーション)
mogumo(モグモ)
homeal(ホーミール)
Tot Plate(トットプレート)
野菜ジュースは補助的に活用しながら、食べる習慣を育てよう
野菜ジュースは手軽に栄養を補える便利な飲み物ですが、あくまで補助的なものです。
加工の過程で食物繊維や一部のビタミンが失われるため、「野菜の代わり」として考えるのは適切ではありません。
子どもがしっかり噛んで食べる習慣を育てることが、健康的な食生活には欠かせません。
未加工の野菜を日々の食事に取り入れながら、野菜ジュースは「どうしても食べられないときのサポート」として活用するのが理想的です。
また、手作りの食事に加えて、宅配幼児食などもうまく利用すれば、無理なく栄養バランスを整えることができます。
ジュースだけに頼らず、工夫しながら子どもが自然と野菜を食べられる環境を整えていきましょう。