幼児期に必要な栄養素は?目安量やポイントを管理栄養士が解説

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成長期の子どもの体を作る大切な食事。しっかりと栄養のあるものを食べさせたいですよね。

1歳から2歳の子どもではおよそ900〜950kcal、3歳から5歳では1,200~1,300kcal程度が必要で大人の1/2〜2/3程度です。

とはいえ、どんなものをどのくらい組み合わせればいいのかカロリーだけでは分かりづらいのではないでしょうか。

この記事では管理栄養士の筆者が、幼児の1日に必要な食事の量や不足しがちな栄養素、食事をとるときの注意点などを解説しています。

目次

幼児に必要なエネルギーと栄養素量

幼児に必要なエネルギーと栄養素の量を解説します。

エネルギーのほか、幼児の成長にとくに関わりが深い栄養素です。

1歳〜2歳

エネルギー
たんぱく質
脂質
炭水化物
ビタミンD
ビタミンC
ナトリウム
(食塩相当量)
カルシウム

3歳〜5歳

エネルギー
たんぱく質
脂質
炭水化物
ビタミンD
ビタミンC
ナトリウム
(食塩相当量)
カルシウム

幼児の1日の食事量と品目

幼児が1食に食べる量の目安を表にしました。

食べる量の参考にしてみてください。

1歳〜2歳

スクロールできます
食品分類1日の目安量食品の種類と目安量
主食穀類270~300gごはん(子ども用茶碗1杯)
パン(8枚切り食パン1枚)
茹でうどん(1/3玉)
主菜25g1/2個
15~20g赤身ひき肉大さじ1または薄切り肉2/3枚
30g切り身1/3切れ
大豆製品35g納豆20gまたは豆腐1/10丁
副菜緑黄色野菜80g
淡色野菜80~100g
海藻・きのこ類10g
いも類30~50gじゃがいも1/3個またはさつまいも1/5本
果物100gりんご1/3個またはバナナ1本
その他牛乳・乳製品200~300g牛乳200mlとヨーグルト1/2個など
油脂類8g植物油小さじ2

3歳〜5歳

スクロールできます
食品分類1日の目安量食品の種類と目安量
主食穀類330~350gごはん(子ども用茶碗1杯強)
パン(6枚切り食パン1枚)
茹でうどん(1/2玉)
主菜35~40g2/3個
25~30g赤身ひき肉大さじ2または薄切り肉1枚
40g切り身1/2切れ
大豆製品40~45g納豆30gまたは豆腐1/6丁
副菜緑黄色野菜90g
淡色野菜110g
海藻・きのこ類10~15g
いも類40~60gじゃがいも1/3個またはさつまいも1/5本
果物100~150gりんご1/3個またはバナナ1本
その他牛乳・乳製品200~300g牛乳200mlとヨーグルト1/2個など
油脂類12~15g植物油大さじ1

幼児食でとりたい栄養素5つ

成長期の体に必要な以下の4つの栄養素を幼児食でとれるように工夫すると良いでしょう。

  • たんぱく質
  • カルシウム
  • 食物繊維

食物繊維は成長に直接関係する栄養素ではありませんが、幼児期から不足しがちで重要な栄養素なため解説を入れました。

たんぱく質

たんぱく質は体の成長には欠かせない栄養素です。

筋肉や皮膚などを作るのはもちろん、体の機能を調節する酵素やホルモン、免疫抗体などの材料にもなり、生命の維持に大きく関わっています。

たんぱく質が不足すると筋力の低下だけでなく疲労骨折をしたり、免疫力低下による体調不良などが起こりやすくなります。

肉や魚だけでなく、大豆製品や乳製品にも良質なたんぱく質が含まれているので、バランスよくとることが大事です。

カルシウム

骨や歯の材料のカルシウムは、成長期の体には重要な栄養素。

体への吸収率はよくないため、魚やきのこ類などのビタミンDを含む食材と一緒に食べるようにしましょう。

カルシウムは不足すると発育発達のほか、イライラしやすくなるなど精神面でも影響があります。

食事だけでなく間食などに乳・乳製品を取り入れるなど工夫して、しっかりとカルシウムをとりましょう。

鉄は血液成分『ヘモグロビン』の材料で、体中に酸素を運ぶ働きがあります。

また、鉄は筋肉中にも多く存在しており、不足すると疲労感や筋力低下を引き起こすことも。

子どもは1歳をすぎると鉄が不足しやすいため、赤身の肉やほうれん草、小松菜などを組み合わせて食べ鉄を積極的にとるようにしましょう。

食物繊維

食物繊維は体に吸収されず、大腸まで届く栄養素。主にお腹の中を掃除する役割を持っています。

便秘を解消してくれるほか、食事と一緒にとると糖の吸収スピードをやわらげ、血糖値の上昇を緩やかにしてくれる働きがあります。

血糖値の急激な上昇は、肥満になりやすくなるだけでなく、子どもがイライラしたり、落ち着かなくなる要因の一つともされています。

食物繊維が多い食べ物は野菜類、海藻類、果物など。別記事で細かく解説しているので、参考にしてみてください。

幼児食で必要な栄養素をとるときのポイント3つ

幼児食で必要な栄養素をとるときのポイントは以下の3つです。

順に解説します。

『置き換え』食材を知っておく

食べられない食材があると「栄養が足りずに体に影響があるのでは?」と心配になりますよね。

その心配を克服するために、『置き換え』食材を把握しておくと良いです。

例えば、カルシウムがとりたい場合、『牛乳』が嫌いでも『魚類』や『大豆製品』でもカルシウムをとることができます。

ほとんどの食材は『置き換え』できるので、子どもが好き嫌いで食べずに困っているときは別の食材で栄養素を代用すると栄養の偏りがなくなります。

「食べられない」ことより「食べられる」事実に注目して、代用になる食材を探してあげましょう。

間食を上手に取り入れる

幼児期に必要な栄養素をしっかり取るには『間食』も重要です。

1日3食が基本ですが幼児はまだ胃が小さく、すぐにお腹いっぱいになるため、必要な栄養素を3食でまかないきれません。

成長に必要な栄養をしっかりとれるように、間食を1日の中で1〜2回入れていきましょう。

栄養素は1週間単位で考える

1日に必要な栄養素量や1食あたりの食事量を解説してきましたが、必要な栄養素がとれているかは1週間単位で見ると良いです。

なぜなら、子どもは気分による食べムラや日中の活動量の大小で食事量に大きな変化が出ることがあるから。

例えば、『大きな公園に行き1日中遊んだため、昼はコンビニで買ったサンドイッチで軽く済ませ、夜は疲れ果てて夕食も食べずに寝てしまった。』という日があったとします。

このような日は、朝昼夕の3食では必要な栄養素はとりきれないうえ、間食を入れてもまかないきれない可能性がありますよね。

栄養が足りないからとその日のうちにムリに食べさせるよりも、1週間を通して「昨日は少なかったから今日は少し多めに出しておこう」と調整したほうが、ママパパの精神的な負担も軽くなります。

幼児期に必要な栄養素まとめ

幼児期は体を作る大事な時期のため、しっかりと栄養をとる必要があります。

どの栄養素も重要ですが、以下の栄養素は意識してとるようにしましょう。

  • たんぱく質
  • カルシウム
  • 食物繊維

『幼児期』は1年間で身長が10cm以上伸びることもある、成長にとって重要な時期。

必要な栄養素と含まれる食材を知り、献立に上手く組み込んでいきましょう。

たくさん野菜をとれる幼児食も市販されているので、気になる方はチェックしてみてください。

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