子どもが朝ごはんを食べない!理由と対処法を管理栄養士が解説

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子どもが朝ごはんを食べない!理由と対処法を管理栄養士が解説

「朝ご飯を用意しても全然食べない。」と、朝ご飯を食べないお子さんに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

 朝ご飯は1日を元気にスタートさせるための大切なエネルギー源なので、できれば欠かさずに食べてほしいもの。

この記事では、子どもが朝ご飯を食べない理由や食べないときの対処法などを解説しているので、子どもが朝食を食べずに悩んでいる方は参考にしてみてください。

目次

子どもが朝ごはんを食べない理由

子どもが朝ご飯を食べない理由には以下のようなものがあります。

順に解説していきます。

胃腸が目覚めていない

朝起きても、体が完全に目覚める前は胃腸の動きも活発ではなく、食欲がわかないことがあります。

とくに朝ご飯を食べる習慣がない場合は、体が朝食を必要と感じにくいでしょう。

しかし、朝食を抜いてしまうと体を活発に動かすためのエネルギーが足りず、午前中の活動に大きな影響を与えてしまいます。

また、1日に必要な栄養素や食物繊維が不足し、便秘や腸内環境の悪化につながる可能性もあるため、体内リズムを整えながら朝食をとることが大切です。

就寝時間が遅い

睡眠リズムは体内時計によって作られますが、子どもは大人より体内時計が未熟なため、少し遅く寝ただけでも乱れやすくなります。

朝に明るい光を浴びると体内時計がリセットされて体が目覚めることはよく知られていますが、朝食にも同様に体内時計をリセットする効果があります。

しかし、就寝時間が遅いと十分な睡眠が取れず、体内時計が乱れて朝食を摂る時間に影響が出やすくなり、夜遅くに食事をしていると朝お腹が空かない原因にもなります。

親が朝食を食べていない

親が朝食を食べていなかったり、朝食を軽視している様子が見られると、子どもも「それが普通なんだ。」と受け入れてしまい、朝食を取らない習慣が身についてしまう可能性があります。

朝は忙しいですが、できるだけ家族で朝食を食べて子どもの朝食習慣を身につけるようにしましょう。

朝ごはんが子どもに大切な理由

朝食

朝食を摂ることで、子どもたちは一日に必要なエネルギーを補給し、体や脳を活発に動かす準備が整います。

夜から朝にかけての断食状態で、体内のエネルギーは低下しています。

特に脳のエネルギー源である糖質(ブドウ糖)はほとんど消費されているため、朝食をとらないと体はエネルギー不足に陥り、集中力や記憶力が低下し、活発に遊んだり学習に集中することが難しいのです。

加えて、朝食は体内時計をリセットし、セロトニンの分泌を促して精神を安定させ、体温を上昇させます。

朝食をしっかり摂ることで、子どもは一日をより元気で健康的に過ごすことができます。

子どもが朝ごはんを食べないデメリット

子どもが朝ご飯を食べないデメリットです。

栄養不足になるのはもちろん、胃腸が動かないため便秘などを起こしてしまう可能性があります。

では、解説していきます。

栄養不足

朝食を摂らないことで、1日に必要な栄養素が不足します。

特に成長期の子どもにとって、バランスの取れた食事は体の発育に欠かせないため、栄養不足が長引くと健康や成長に悪影響を及ぼすことがあります。

便秘や腸内環境の悪化

朝食は腸の活動を促し、排便リズムを整える役割もあります。朝食を摂らないと腸の動きが鈍り、便秘や腸内環境の悪化につながることがあります。

体温の上昇が遅れる

朝食を摂ることで体温が上がり、体や脳が活発に働く準備が整います。朝食を摂らないと体温の上昇が遅れ、朝の活動がスムーズに始められなくなることがあります。

食事の工夫は必要なし!子どもが朝ごはんを食べる方法

(図解で簡単なまとめを入れる)

子どもが朝ごはんを食べない原因は、メニューだけでなく生活習慣にも大きく関係しています。

朝と夜の習慣の見直し方法をそれぞれ紹介します。

夜の習慣

まず、現在の就寝時間に合わせて、夕食を今より30分早く済ませることで、少しでも早く寝られるように工夫してみましょう。忙しい中で実行するのは難しいかもしれませんが、無理なくできる対策もいくつかあります。

例えば、夕食後に部屋の照明を少し暗くすることが有効です。明るい照明のままだと脳が夜を認識しにくく、子どもが寝つきにくくなる可能性があります。蛍光灯ではなく、オレンジ色の電球色に変えると、よりリラックスしやすくなるでしょう。

また、寝る前に絵本を読むなど、決まった習慣を取り入れることで、脳が「そろそろ寝る時間だ」と自然に意識するようになり、寝つきが良くなることが期待できます。

さらに、夕食の内容を見直すことも大切です。夕食の量を少し控えめにしたり、油っこいものを避けることで、翌朝の胃もたれが軽減され、子どもが朝食を食べやすくなるでしょう。

朝の習慣

朝、子どもが目覚めたら、1~2分程度でも良いので、陽の光を浴びることが大切です。

朝の日光を浴びることで脳が「朝だ」と認識し、『セロトニン』の分泌が促されます。

セロトニンの効果
効果解説
感情の安定セロトニンは感情のバランスを保つ役割を果たし、ストレスや不安を和らげます。セロトニンの分泌が適切であると、心が安定し、落ち着いた気分で過ごすことができます。
集中力や注意力の向上セロトニンは日中の活動において、集中力や注意力を維持するのにも貢献しています。これにより、仕事や学習の効率が上がり、ミスも減ります。
睡眠・覚醒リズムの調整セロトニンは夜になるとメラトニンという睡眠ホルモンに変わり、体内時計の調整をサポートします。日中に十分なセロトニンが分泌されることで、夜に質の良い睡眠がとりやすくなります。

また、朝起きたら、コップ半分の水や白湯を飲むようにすると、胃腸の働きが活発になり、自然と食欲が湧きやすくなります。

特に、白湯は体を内側から温め、代謝を促進する効果も期待できます。

朝食には、タンパク質やビタミンを多く含む食品を取り入れるなど、バランスの取れた食事を心がけましょう。

それでも朝ごはんを食べないときは?対処法を紹介

生活習慣を整えてみたものの、それでも朝ご飯を食べないときの対処法を紹介します。

最初に言っておくと、食べない子は何をしても食べないので、諦めてお菓子やジュース以外の好きなものを食べさせるという手もあります。

では、順に解説していきます。

好きなものを食べさせる

子どもが朝ごはんを食べないときは、まずは好きな食べ物を取り入れることで、食事への抵抗感を減らしましょう。

食欲がない朝でも、ヨーグルトやフルーツ入りミルクなど、食べやすい液体系のものや菓子パン、バナナ、コーンフレークなどを選ぶと効果的です。

また、好きな具材で作った小さいおにぎりや、野菜ジュース、薄味にしたスープやお味噌汁など、子どもが食べやすい形に工夫するのもポイントです。

栄養バランスは後からでも調整できるので、まずは子どもの好みを優先し、少しずつ他の食材を取り入れていくと良いでしょう。

好きな食器を使う

子どもが朝ごはんを食べないときは、タッパーに詰めたり、お弁当にするのも一つの方法です。

子どもが選んだ食器や好きなキャラクターのお皿を使ったり、ご飯をおにぎりにすることで、食事が楽しい時間だと感じられるように工夫しましょう。

視覚的な楽しさを加えることで、子どもの食欲を引き出す効果があります。

盛り付けを工夫する

朝ごはんを楽しく食べてもらうために、盛り付けを工夫するのも効果的。

例えば、一口おにぎりにキャラクターのおさかなチップを載せたり、ご飯に海苔で顔を作ったりして、見た目が楽しいようにすると、子どもの興味を引くことができます。

動物の形のおにぎりやカラフルに並べた野菜など、食事をワクワクしながら楽しめるように工夫することが大切です。

無理強いしない

子どもが朝ごはんを食べたがらないとき、無理に食べさせようとすると逆効果になることがあります。

子どものペースに合わせて、少しでも食べられたら褒めてあげましょう。

時には甘い菓子パンでも、何も食べないよりは良いと割り切ることも必要で、無理強いせず子どもが楽しく食事できる環境を作ることが、朝ごはんの習慣化につながります。

子どもの朝ごはんを習慣化させる4つのステップ

子どもの朝ごはんを習慣化させるためには、無理のない4つのステップで進めるのが効果的です。

STEP
飲み物を飲む

まずは水や牛乳、ジュースなどの飲み物から始めましょう。飲み物を飲むことで胃腸が目覚め、食欲が少しずつ湧いてきます。また、朝に水分を補給することは体の目覚めにもつながります。

STEP
主食を食べる

次に、パンやおにぎり、シリアルなどの主食を取り入れます。エネルギーの源となる主食は、1日の活動を支える大切な要素です。食欲がまだ少ない場合は、小さな一口サイズから始めると負担が少なくなります。

STEP
ウィンナーや卵を食べる

次に、タンパク質が含まれるウィンナーや卵を追加しましょう。これらは体の成長や脳の働きに必要な栄養素を補ってくれます。子どもの好みに合わせて、食べやすい形にするとよりスムーズです。
もちろん、ヨーグルトやハムなど食べやすいものを選んでもOK。

STEP
野菜・果物を食べる

最後に、ビタミンや食物繊維が豊富な野菜や果物を取り入れます。見た目がカラフルなフルーツや、一口サイズの野菜などを取り入れることで、楽しく栄養バランスを整えることができます。

この4つのステップを徐々に取り入れることで、無理なく朝ごはんの習慣を身につけることができます。

子どもが朝ごはんを食べないまとめ

成長期の子どもが朝ごはんを食べないことで、以下のような問題が起こります。

  • 栄養不足
  • 腸内環境の悪化
  • 体内リズムの乱れ

また、朝ごはんを抜くと体を動かすエネルギーを補給できないため、集中力が欠けたり、体を思いっきり動かせないなど、日中の活動に支障が出ます。

朝食の欠食は前日の夕食から就寝前までの行動も影響してくるため、夕飯の時間を早めにしたり、寝る前は部屋を少し暗くするなどの工夫をしてみても良いでしょう。

全く食べられない子は、好きなものを少しでも良いので食べさせてみたり、飲み物から始めても良いです。

朝は忙しくてどうしても朝食を抜いてしまうという方もいると思いますが、1日を元気に過ごすためには必要なものなので、しっかりと食べられる環境を整えていきましょう。

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