幼児のおやつ(間食)は必要?目的や量など管理栄養士が解説

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幼児のおやつ(間食)は必要?目的や量など管理栄養士が解説

「幼児におやつは必要?」

「おやつの量は?」

「なにを食べさせればいいの?」

こんな疑問を解決します。

おやつは子どもにとって楽しみな時間であるとともに、3回の食事ではとりきれない栄養素を補う貴重な機会です。

この記事では、幼児におやつが必要な理由や理想的なおやつ、与え方のポイントなどを解説しているので、おやつに悩んでいる方はぜひ参考にしてみて下さい。

目次

幼児期のおやつ(間食)の目的

幼児期のおやつの主な目的は以下の3つです。

順に解説します。

食事でとりきれない栄養素を補う

幼児期のおやつは、食事でとりきれない栄養素を補給するという重要な役割があります。

幼児期は身体と脳の発達が急速に進む時期。

必要な栄養素をしっかりと摂取する必要があるものの、幼児は消化器官が未発達のため、3回の食事では必要な栄養素やエネルギーをとれない場合があります。

おやつを食事の延長と考え、適切に取り入れることで、成長に必要な栄養を補えます。

空腹時のグズりを防ぐ

幼児は代謝が活発でエネルギー消費が早いため、食事の間隔が空きすぎると血糖値が下がり、集中力の低下や機嫌が悪くなることがあります。

子どもはお腹が空くとグズって手が付けられなくなることもありますよね。

おやつで適度にエネルギーを補うことで、空腹による不機嫌や情緒不安定を防ぎ、幼児が落ち着いて過ごせるようになります。

食べる楽しさを育む

おやつの時間は、食事とは異なる楽しみを見つけることができる貴重な機会

新しい食材や味に慣れる機会にもなり、食への興味を引き出します。

また、手づかみで食べる練習をしたり、家族や友だちと一緒に楽しんだりすることで、食へのポジティブな意識を育てることができます。

幼児のおやつの適量は総エネルギー必要量の10~20%

一回分のおやつの量は、1日に必要なエネルギーの10~20%を目標にします。

幼児の年齢や性別・活動量によって変わりますが、たとえばバナナ1本、おまんじゅう1個、クッキー4~5枚が200kcal以内のおやつです。

子どもにあったおやつ量の計算方法を解説します。

STEP
1日の総エネルギー必要量を確認

幼児の年齢・性別・活動レベルによって異なりますが、一般的に約1,000~1,400kcalが目安です。

スクロールできます
年齢男児女児
1~2歳950kcal900kcal
3~5歳1,300kcal1,250kcal
6~7歳1,550kcal1,450kcal
※6~7歳の身体活動レベルはⅡに設定
引用元:厚生労働省『小児の身体活動レベルの判定方法の考え方について』
STEP
おやつでとれるエネルギー量の計算

今回は1日の総エネルギー必要量の20%をおやつに充てることとします。

1日に1,200kcalが必要な幼児なら、1,200×0.2=240kcalのおやつがとれます。

6~7歳以上は1回に食べられる量も増えるため、おやつの量は1日1回200kcal以内を目安にしましょう。

スクロールできます
年齢おやつの回数1回の目安1日の合計
1〜2歳1〜2回100~150kcal200〜300kcal
3〜5歳150〜200kcal
6~7歳150〜200kcal

幼児のおやつは基本的に午前、午後に1回ずつ与えると良いため、240÷2=120kcalが1回あたりのおやつ量になります。

このように、おやつが1日の総カロリーの一部として適切な量になるように調整すると、幼児の健康的な成長をサポートできます。

幼児にとって理想的なおやつ(間食)のポイント3つ

幼児にとって理想的なおやつとは、『お菓子』ではなく『捕食』 として考え、栄養を補いながら、楽しく食べられるものです。

以下のポイントを意識すると、子どもの成長をサポートしながら健康的におやつを楽しめます。

  • 消化によく食べやすい
  • 砂糖や添加物が少ない
  • 手づかみ食べしやすい

では、順に解説します。

消化によく食べやすい

幼児のおやつは、消化に良く、食べやすいものを選ぶことが大切です。

幼児の消化機能はまだ未熟なため、胃に負担の少ない食材を取り入れると安心。

例えば、さつまいも、バナナ、かぼちゃ、ヨーグルトなどは消化が良く、腸にも優しいためおすすめです。

また、食材は柔らかく調理し、大きすぎるものは小さくカットすると食べやすくなります。

砂糖や添加物が少ない

幼児のおやつは砂糖や添加物が少ないものが理想的です。

砂糖を過剰に摂ると、血糖値の急上昇・急降下を招き、集中力の低下やイライラの原因になります。

また、甘いおやつに慣れると味覚が偏り、食事のバランスが崩れることも。

添加物の多い食品は消化に負担がかかり、腸内環境を乱す可能性があります。

そのため、さつまいもや果物などの自然な甘みを活用し、できるだけ手作りやシンプルな食材を選ぶのが理想的です。

手づかみ食べしやすい

幼児にとって手づかみ食べは、食事の楽しさを学ぶ大切なステップです。

自分の手で食べることで、食材の形や感触を確かめ、興味を持つきっかけになります。

また、指先を使うことで手や口の発達を促し、スプーンやフォークを使う練習にもつながります。

さらに、自分で食べることで食べる意欲が高まり、偏食の防止にも役立ちます。

スティック状のおにぎりや蒸しパン、柔らかく煮た野菜など、持ちやすく、食べやすい形に工夫するのがポイントです。

幼児におやつ(間食)を食べさせるときの注意点5つ

幼児のおやつは、ただの『おやつタイム』ではなく、成長を助ける大事な『栄養補給のチャンス』です。

しかし、時間を決めずにダラダラ食べたり、テレビやスマホを見ながら食べたりすると、食事のリズムが崩れたり、食べることへの意識が低くなってしまいます。

  • おやつの時間を決めて、ダラダラ食べを防ぐ
  • テレビやスマホを見ながらの「ながら食べ」は避ける
  • 飲み物は水・麦茶・牛乳を中心にしよう
  • ナッツや硬い食材など、誤飲の危険があるものは避ける
  • 不足しがちな栄養素をおやつでバランスよく補う

おやつの時間を上手に活用し、不足しがちな栄養素をバランスよく補うようにしましょう。

おやつの時間を決めて、ダラダラ食べを防ぐ

おやつの時間を決め、ダラダラ食べはやめましょう。

時間を決めずに食べ続けると、次の食事の時間にお腹が空かず、食事のリズムが崩れる原因になります。

また、ダラダラ食べは虫歯のリスクを高めたり、食べ物の味をしっかり味わう機会を減らすことにもつながります。

理想的なおやつの時間は午前10時頃や午後3時頃など、食事との間隔を考えて設定。

メリハリをつけることで、食事の習慣や満腹感を正しく身につけることができます。

テレビやスマホを見ながらの『ながら食べ』は避ける

テレビやスマホを見ながらの『ながら食べ』は避けましょう。

画面に集中しながらおやつを食べる影響
  • 満腹感を感じにくくなる
  • 食べ過ぎる
  • 食材の味や食感を認識しなくなる
  • 食への興味が低下する

さらに、画面を見ることで姿勢が悪くなったり、噛む回数が減ったりすることで消化不良や誤飲のリスクも高まります。

家族との会話を楽しみながら、食べることに集中できる環境を整えましょう。

飲み物は水・麦茶・牛乳を中心にしよう

幼児のおやつ時の飲み物は、水・麦茶・牛乳を中心にするのが理想的です。

ジュースや炭酸飲料は糖分が多く、血糖値の急上昇や虫歯のリスクを高めるため、頻繁に与えるのは避けましょう。

麦茶はノンカフェインで水分補給に適しており、牛乳はカルシウム補給に役立つためおすすめです。

ただし、牛乳は飲みすぎると食事に影響を与えることがあるため、適量(1日200ml程度)を意識しましょう。

水分補給を意識しながら、バランスよく飲み物を選びましょう。

ナッツや硬い食材など、誤飲の危険があるものは避ける

子どものおやつでは、誤飲の危険がある食べ物を避けることが重要です。

ナッツやキャンディ、小さな果物の種など、誤って飲み込んでしまう可能性があるものは与えないようにしましょう。

白玉もちやこんにゃく入りゼリーなども3歳頃までは避け、3歳を過ぎて与える場合でも必ず保護者の見守りのもと食べさせて下さい。

不足しがちな栄養素をおやつでバランスよく補う

幼児のおやつは、日常の食事で不足しがちな栄養素を補う大切な機会です。

幼児は一度にたくさんの食事を摂れないため、炭水化物・たんぱく質・ビタミン・ミネラルをバランスよく含むおやつを意識しましょう。

例えば、エネルギー補給にはおにぎりやさつまいも、たんぱく質補給にはチーズやヨーグルト、ビタミン補給には果物や野菜スティックがおすすめ。

また、鉄分や食物繊維が不足しがちな場合は、全粒粉クラッカーなど、鉄・食物繊維などを含むおやつを工夫して取り入れると良いでしょう。

甘いお菓子やジュースに頼らず、栄養価の高い食材を使ったシンプルなおやつを選ぶことが理想です。

幼児期におすすめの調理済みおやつ(間食)5選

幼児期におすすめの調理済みおやつ(間食)5つを紹介します。

  • 【コープきらきらキッズ】プチ肉まん
  • 【コープ】焼おにぎり(塩分25%カット)
  • 【モグモ】鮭とわかめのまぜおにぎり
  • 【モグモ】ふっくらもちもち!十八穀おにぎり
  • 【homeal】やさいぱん

【コープきらきらキッズ】プチ肉まん

5種の国産野菜が入ったプチ肉まん。

1個あたり47kcalと、おやつとして使い勝手が良い商品です。

栄養成分1コ18g(平均重量)あたり
エネルギー47kcal
たんぱく質1.4g
脂質1.5g
炭⽔化物7g
⾷塩相当量0.1g

原材料名:皮(小麦粉(小麦(国産))、砂糖、植物油脂、イースト、大豆粉末、にんじん粉末)、具(野菜(たまねぎ、キャベツ、じゃがいも、にんじん、とうもろこし)(国産)、豚肉(国産)、発芽玄米粉、砂糖、パン粉、チキンエキス、食塩、オイスターソース、香味油、米発酵調味液、ゼラチン、しょうがペースト、ごま油)/膨張剤

【コープ】焼おにぎり(塩分25%カット)

香ばしいしょうゆ味がおいしいコープの焼きおにぎり。塩分は通常より25%カットされており、幼児が食べやすい味の濃さになっています。

栄養成分1個48g(平均重量)あたり
エネルギー84kcal
たんぱく質1.6g
脂質0.4g
炭⽔化物18.4g
⾷塩相当量0.3g

【モグモ】鮭とわかめのまぜおにぎり

鮭とワカメでたんぱく質、ミネラルが補えるモグモのおにぎり。

1個あたり128kcalのため、満足感も充分です。

栄養成分1個あたり
エネルギー128kcal
たんぱく質2.2g
脂質1.6g
炭⽔化物26.0g
⾷塩相当量0.5g

【モグモ】ふっくらもちもち!十八穀おにぎり

十八穀米は食物繊維やミネラル、ビタミンが豊富で、不足しがちな栄養素を補うにはピッタリ。

また、腹持ちも良いためおやつには最適です。

栄養成分1個あたり
エネルギー124kcal
たんぱく質2.0g
脂質1.3g
炭⽔化物26.2g
⾷塩相当量0.2g

【homeal】やさいぱん

ホーミールの『やさいぱん』は子どもが不足しがちな鉄・マグネシウム・亜鉛などの栄養素が強化されています。

ほかにも、血糖値のコントロールに役立つγ-オリザノールや緊張やストレスをやわらげるとされるGABAも含んでおり、パンを食べるだけで様々な効果を得ることができます。

自然解凍で食べられ、解凍後の消費期限は『解凍日を含めて3日間』と長いため、週末のお出かけや旅行にリュックやバックにそのまま入れて、数日間常温のまま保管できる便利な商品です。

栄養成分1個あたり(ほうれん草)
エネルギー99kcal
たんぱく質2.6g
脂質2.3g
炭⽔化物16.2g
⾷塩相当量0.2g

エネルギー 99kcal、たんぱく質 2.6g、脂質 2.3g、炭水化物 16.2g、食塩相当量 0.2g(1個当たり)

幼児期のおやつ(間食)でよくある疑問

幼児期のおやつ(間食)でよくある疑問をまとめました。

2歳のおやつは何がいいですか?

おにぎり・さつまいも・バナナ・りんご・チーズ・ヨーグルトなどがおすすめです。

3歳児におやつは必要ですか?

1日1回150~200kcalほどのおやつで必要な栄養素を補いましょう。

5歳のおやつはどのくらいですか?

1日1回(15時頃)、150~250kcalをおやつからとると良いでしょう。

2歳児が食べてはいけないお菓子は?

油脂の多い洋菓子やチョコレート類、砂糖の多い和菓子など。

血糖値が下がりにくく食事に響く可能性があるため、避けたほうが良いでしょう。

また、誤飲しやすいガム、あめ、こんにゃくゼリーなども避けましょう。

幼児のおやつで注意することは何ですか?

幼児のおやつには不足しがちなエネルギーや栄養素を補う役割があるため、炭水化物や油脂の割合が多いスナック菓子ばかりを与えないようにしましょう。

バナナのようにビタミン・ミネラル・食物繊維がとれるものがおすすめです。

子どもを太らせないおやつは?

  • 果物
  • チーズ
  • ヨーグルト
  • オートミール

などは低カロリー・低脂肪なため、太りにくいおやつです。

グミは何歳から食べれますか?

グミを与えても安心な年齢は噛むが強くなる4〜5歳以上からがおすすめです。

3歳まで甘いものを控えた方がいい理由は何ですか?

甘いものを食べると、お口の中の虫歯菌の活動が活発になり、虫歯の原因になってしまいます。

また、血糖値の乱高下で癇癪を起こしやすくなることがあります。

生クリームは何歳から食べられますか?

生クリームは脂肪分、糖分が多いため1歳以降が良いでしょう。

幼児期のおやつ(間食)まとめ

幼児期のおやつは3回の食事ではとりきれないエネルギーや栄養素を補う重要な役割を果たしています。

スナック菓子などが手軽で与えやすいですが、栄養バランスを考えるなら、果物やヨーグルト、チーズなどがおすすめ。

また、各宅配幼児食でもおやつに食べやすい商品が販売されているので、「手軽にすませたいけど、栄養が気になる。」という方はチェックしてみてください。

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