離乳食が進み、肉団子などある程度の固さのものを食べられるようになると「離乳食はいつまで?大人と一緒の食事に移ってもいいの?」と疑問が浮かびますよね。
結論から言うと、1歳半から5~6歳くらいまでが『幼児食』を食べる期間です。
2歳半頃になると乳歯が全て生えそろい、ある程度の固さや大きさのものを食べられるようになりますが、すぐに大人と同じ食べ物を食べることは難しいです。
離乳食のあと1歳半から5歳くらいまでは幼児食を与え、徐々に大人と同じ食事に近付けていきましょう。
この記事では、幼児食を与える期間や幼児食の進め方などを解説しているので、幼児食のスタートに悩んだ方はぜひ参考にしてください。
幼児食はいつからいつまで?大人と一緒でも良い?
離乳食完了期後の1歳半から5歳くらいまでが一般的に『幼児食』を食べる期間。
歯の状態としては、1歳半頃に『第一乳白歯(奥から2番目)』が生え始めたあたりが幼児食開始の合図です。
とはいえ、まだ歯の本数は少なく噛む力も弱いため、食材の大きさや固さは離乳食完了期とさほど変化はありません。
2歳半をすぎると、『第二乳白歯(一番奥の歯)』が生えてくるので食べ物がすり潰せるようになり、ほとんどの食品が食べられるようになります。
食べられる食材の数が増えたり、大きさや固さが徐々に大人に近づきますが、幼児は味覚や消化器官がまだまだ未発達。
体に負担がかかってしまうので、離乳食が終わったからといってすぐに大人と同じ食べ物を与えるのは避けましょう。
幼児食を食べさせるときのポイント5つ
幼児食のポイントは以下の5つです。
基本的には離乳食のポイントと同じですが、食べられるものが増えたり理解力も深まります。
では、解説していきます。
味付けは薄味のままにする
大人と同じ味付けでは幼児には塩分量、砂糖の量が多すぎるため、大人の半分を目安にしましょう。
塩分量が多いと内臓が未発達な子どもの腎臓に負担をかけ、将来的に腎臓の病気につながる可能性があります。
また、砂糖の取り過ぎは血糖値を乱高下させ、情緒が不安定になりやすくなることも。
うまみの強い野菜だしやかつおだしなどを使い、素材の味をいかした薄味を心がけましょう。
食べやすい固さや大きさにする
幼児食になったとはいえ、まだ歯は生えそろっておらず物を噛む力も弱いため、食材は子ども一人一人に合った固さや大きさに調理しましょう。
食べ物の固さや大きさは子どもの『食事量』に大きく関わり、噛めなかったり、飲み込みづらいと感じると『少食』や『偏食』につながります。
- 噛まない
- 飲み込まない
- 吐き出す
- 好き嫌い
- 食わず嫌い
など上記の『食事の困りごと』を防ぐため、成長段階に合わせた『食べやすい固さ・大きさ』を心がけましょう。
落ち着いて食事ができる環境にする
子どもが食事に集中できる環境を整えることも大切です。
好きなものや楽しいものが視界に入ると気が散って遊びたくなってしまうので、テレビは消しておもちゃや絵本は食事前に片付けておきましょう。
また、食事中に飽きて立ち歩いてしまうときは、座ったときの足の状態も重要です。
イスに座らせていても、足がブラブラしていると体が安定せず、集中力が途切れやすくなります。
イスの高さが高く、足が床に着かない場合は牛乳パックなどで作った台を使うなどして、高さを調整してみてください。
色々な食材の味を経験させる
幼児期はいろいろな食べ物の味を知ることが大切です。
食経験の記憶は3〜4歳ころから確立し、年を取るとともに食体験を広げていくと、子どもの食べ物に対する好みもいろいろ変わっていきます。
たとえ嫌いな食べ物だったとしても、無理のない範囲で少しずつ口にしていけば、そのうちに食べられるようになることも。
幼児期は、いろいろな『味』を経験することが大切なので、『甘味』『塩味』『酸味』『苦味』『うま味』の五味を意識して食事を作ってあげましょう。
一度の食事で、五味をカバーできるとベスト。さまざまな味を食べられると、満腹感も得られ、食べ過ぎも防げます。
調理などを一緒に行う
幼児食の進め方を年齢別に解説
幼児食の進め方を解説します。
1歳半~2歳は幼児食前期、3歳~5歳は幼児食後期です。
1歳半〜2歳
幼児期前半は手づかみ食べやスプーン、フォークの練習を通して噛む力や食べる意欲を育てる時期です。
1歳代は上下の前歯8本が生えそろう時期ですが、歯ぐきで押しつぶせる固さ・大きさに調理します。
繊維質の多い野菜や肉は噛みきれずに飲み込めないため、細かく刻んだりして食べやすいよう工夫が必要です。
個人差はありますが、全ての乳歯が生えそろう時期。いろいろな食感の食材を体験させることで、噛む力が育ちます。
噛む力が強くなり、食べられる物の種類も広がりますが、まだ口が小さく消化器官も完全ではありません。
大人と同じ切り方や固さでは食べづらい食材もあるので、「もう食べられるだろう」と思って無理に食べさせようとすると好き嫌いの原因にもなりかねないため注意が必要です。
生の野菜や繊維の多いもの、肉類はまだ食べづらいので調理の工夫が必要です。
3歳〜5歳
3歳頃には全部で20本ある乳歯が生えそろいます。
歯が生えると何でも食べられるように思いがちですが、大人と比べて歯の面積は小さく、本数も少ないため大人と同じように噛むのはまだ難しい時期です。
子どもの食べる様子を観察しながら、食材の大きさや固さなどを調節してあげる必要があります。
幼児食が始まったら授乳はやめるべき?
幼児食が始まったからと言ってすぐに授乳をやめる必要はありません。
WHO(世界保健機関)では2歳以降も母乳育児を続けることを推奨しており、授乳が子どもの精神安定に繋がっているのであれば、様子を見ながら徐々に卒乳に運んでいけば良いのではないでしょうか。
ただし、幼児の食事は1日3回+間食1~2回ですが、1歳から3歳の幼児の50%以上は鉄やカルシウムが不足している調査結果が出ています。
鉄やカルシウムは成長期の子どもにとって重要な栄養素であるため、授乳のために食事量が減っている可能性がある場合は、授乳の回数を減らすなどの対策が必要。
また、フォローアップミルクで不足しがちな栄養素を補うのもおすすめです。
幼児食はいつからいつまで?まとめ
基本的に離乳食が完了する1歳半から5歳程度までが『幼児食』を食べる期間です。
幼児食は食材の固さや大きさが小さい子どもでも食べやすいように調理し、内臓への負担が少ないよう薄味で味付けをしてあげましょう。
また、幼児期は味覚が発達する時期でもあるので、食べても食べなくても様々な食材に触れさせてあげると将来の食習慣にとって良い影響があるでしょう。
忙しくて色々なメニューを取り入れられないという方は、冷凍で届く宅配幼児食もあるのでチェックしてみてください。