幼児食の食品添加物はどこまで気にするべき?子どもへの影響は?管理栄養士が解説

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加工された食品のほとんどに入っていると言っても過言ではない『食品添加物』。

  • よく分からないけど、みんな食べてるから平気でしょ…?
  • 身体に悪そうだから子どもには摂らせたくない。
  • なんとなく気になるから避けている。

このように考えて食べ物を取捨選択している方もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、食品添加物が入っている食べ物を食べても人体に影響はありません。

とはいえ、デメリットが全くないわけではないため、この記事で食品添加物のメリットやデメリットなどを詳しく解説していきます。

目次

結論:子どもが食品添加物を食べても問題はない

結論から言うと、子どもが一般的な食品に含まれている食品添加物を食べても健康に影響はないです。

なぜなら、専門家による『食品安全委員会』で安全性が評価されたものを厚生労働省が指定し、使用基準量を決めて食品に使用しているからです。

安全性については、動物に食品添加物を与える実験を行い、発がん性試験を含む多くの試験結果に基づいて、「人が一生毎日食べ続けても影響ない量(ADI(※))」を設定しています。

※『ADI』とは人が一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康への悪影響がないと考えられる1日当たりの物質の摂取量です。

とはいえ、食品安全委員会で行われている安全性テストは単一の添加物で行われているため、『添加物の複合摂取』についてはきちんと検査されておらず、未知数といえます。

参考:東京都保健医療局

食品添加物のメリット

添加物には以下のようなメリットがあり、私たちの食生活を豊かにしています。

順に解説します。

食品を長持ちさせる

食品添加物には。食品の酸化や腐敗を防ぐ効果があるものもあり、『保存料』『酸化防止剤』『防カビ剤』が代表的な例です。

添加物を使えば食品の保存期間を長くすることができ、食中毒を防ぐのはもちろん、廃棄ロスを減らしたり新鮮さを保つことができたりと、生産者・消費者どちらにもメリットをもたらします。

食中毒を予防する

日本は高温多湿な気候のため、食品が腐敗しやすく食中毒が発生しやすい環境ですが、食品添加物を使用することで、食中毒を予防することができます。

「食中毒の予防が食品添加物の最大のメリット。」

食品にはカビや細菌の好きな『水分』『栄養分』がそろっており、あっという間に繁殖していき、傷んだ食品を食べてしまうと私たちに様々な健康被害をもたらします。

食品添加物を使うことで食品を安全に食べることができます。

味や見た目を良くする

食品の味や見た目は、食欲を高めるには重要な要素です。

家庭の料理では「数時間前に作った料理なのに色が悪くなってしまった。」という経験がある方も多いのではないでしょうか。

無添加の食品は空気や加熱で変色しやすく、味を安定させることは難しいです。

そこで、変化を受けやすい食品に『着色料』や『発色剤』『香料』などを使うことによって、時間が経っても安定した味やおいしそうな見た目を維持することが可能です。

栄養が強化される

食品添加物には『栄養強化』を目的として使用する場合があります。

ビタミン・ミネラル・アミノ酸などは私たちの身体の健康を維持するためには必要不可欠な栄養素ですが、中には日々の食事では十分にとりきれない栄養素もあります。

「子どもの成長に不可欠なカルシウムや鉄はとくに不足しがちです。」

健康を維持するために、食品添加物として栄養素を強化することで食べる量が少なくても、より多くの栄養素を摂取できます。

栄養強化目的で使われている食品添加物にはラベル表示義務がないため、食品添加物が含まれているか認識したい場合は、「牛乳◯本分のカルシウム」「レモン◯個分のビタミンC」など強調されている表示がないかどうかを確認すると良いでしょう。

品質・価格が安定する

品質や価格の安定にも食品添加物は大きく関わっています。

野菜のように収穫時期や年によって品質に差が出るような素材でも、調味料や着色料、香料などを使用することで、一定の品質を保つことが可能。

また、価格面では、安価な原材料を食品添加物で高価なものと変わらない味や見た目に加工したり、品質管理を容易にすることで価格を下げることができます。

食品添加物のデメリット

一方、食品添加物のデメリットです。

では、順に解説します。

アレルギーの原因になることがある

食品添加物がアレルギーの原因になることがあります。

以下に、アレルギーを引き起こす可能性のある食品添加物と原因の一例を紹介します。

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添加物名解説
亜硝酸ナトリウム乾燥果物やワインに保存料として使用されることがあり、一部の人にアレルギー反応を引き起こすことがあります。
着色料一部の人工着色料(タール系色素など)はアレルギー反応や過敏症を引き起こすことがあります。
乳化剤大豆由来のものや卵由来のものがあります。
安定剤(ペクチン)りんごやオレンジ由来のものがあります。
コチニール色素エンジムシから抽出される赤色の着色料。飲料、菓子、ハム、かまぼこなど幅広く使用されています。

製造側には添加物を使用する場合は、ラベルや表記に『アレルギー品目』を記載することが義務付けられています。

私たち消費者は、ラベル表示を見てアレルギーの原因になる物質を避けるようにしましょう。

糖分・脂質・塩分をとり過ぎることがある

食品添加物は香りや味に大きな影響を与えるため、気付かないうちに糖分や脂質、塩分をとり過ぎている可能性があります。

たとえば、清涼飲料水(炭酸ジュースなど)は500mlあたりに約大さじ4杯分のグラニュー糖が入っていますが、香料や酸味料を入れることで甘ったるくない、飲みやすい味になっています。

また、添加物には『亜硝酸ナトリウム』や『リン酸ナトリウム』のように、『〇〇ナトリウム』という形で塩分(ナトリウム)が含まれていることが多いです。

栄養成分表示では『食塩相当量』という名称で記載されているので、食品中の塩分量が気になる方はチェックしてみてください。

食品添加物のよくある疑問

食品添加物のよくある疑問をまとめました。

食品添加物は全て表示されていますか?

食品に使用された食品添加物は、原則として、全て表示することが義務付けられています。

しかし、ビタミン等栄養強化の目的で使用される食品添加物など、表示が免除されているものもあります。

見ばえを良くするために、野菜にも食品添加物が使われることがありますか?

色を鮮やかに見せる着色料や色を白くする漂白剤など、本来の品質や鮮度がわからなくなるような食品添加物は、野菜類に使用することができません。

ただし、最終的に成分として食品に残らなければ野菜の消毒に食品添加物が使われている場合があります。

食品にはどの程度の食品添加物が入っていますか?

食品によって含まれる食品添加物の種類と量は様々です。

ただし、市販されている食品に使用できる添加物の量は、「長期間その食品を食べ続けても健康に影響が出ない量まで」と決められています。

消費期限や賞味期限が長い食品は、食品添加物をたくさん使っているのですか?

食品の日持ちは添加物の使用のみで決まるものではないため、消費期限や賞味期限が長い加工食品について、一概に添加物を多く使っているとは言えません。

参考:東京保健医療局

まとめ:幼児食の安全性を保つために必要不可欠な食品添加物がある

体に悪いイメージのある食品添加物ですが、食品の保存性を高めたり見た目や味をよくするなど、私たちの食生活を豊かにする重要な役目を果たしています。

食品添加物が製品に使用される前には『食品安全委員会』により安全性の評価が行われており、一日摂取許容量(ADI)が設定されています。

※一日摂取許容量とは『人が一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康への悪影響がないと考えられる1日当たりの物質の摂取量』のこと

そのため、子どもが一般的な製品に含まれる食品添加物を食べても健康に影響はありません。

とはいえ、食品添加物が入っている食品を極力避けたいという方には『無添加』の幼児食があり、とくにmogumo(モグモ)は無添加商品が充実しています。

私たちが食べ物をよりおいしく、安全に食べられる食品添加物は現代では必要不可欠なものと言えるでしょう。

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